小学校低学年に読ませたい「読書が好きになる本」を塾の先生たちが選んで紹介します
つるのあねさ
- 文:大川悦生
- 絵:石倉欣二
- 出版社:ポプラ社
あらすじ
けがをしてくるしんでいるつるをたすけたあにさの家に、そのばん、美しいむすめがたずねてきました。
おすすめポイント
鶴の恩返しのタイトルで有名なお話しです。
教科書で紹介されている場合もあります。
矢を抜いてもらった恩返しに娘に姿を変え、あにさの家へ訪れる鶴。
自分の羽根をむしり美しい反物を織り百両という高額であにさに売りに行かせます。
それに味を占めたあにさは、もう一度、娘に反物を織って欲しいと頼むがというお話です。
子ども向けに出された本ではありますが、あにさの情念の激しさはあねさ以上で、
もうこれは報恩譚ではなく純然たるラブストーリーのような仕立てです。
貧農の次男三男として生まれたというだけでロクな働き口もなく、
嫁取りなど考えることもできなかった「あにさ」たちの側に、
ぐっと感情移入することで生まれた異色作となっています。